水鳥観察館目次
水鳥観察館について
「北海道」といえば、都道府県魅力度ランキング13年連続1位と国内屈指の人気を誇っています。
海の幸やジンギスカンなどの北海道でしか味わえない料理、時計台や動物園などの観光地、函館からの夜景など、魅力溢れるスポットが多く何度も訪れてしまいます。
そんな北海道へ「雄大な自然」を求めて足を運んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、野生の白鳥が訪れることで知られている「浜頓別町水鳥観察館」を紹介していきます。
王道観光地ではないからこそ、のんびりと自然に癒され楽しめること間違いなしです。
人ごみを避けるこのご時世にピッタリですね。
日本最大の白鳥の飛来地「クッチャロ湖」正式名称は「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」で環境省により設立されました。
館内に設置されているカメラや望遠鏡により、湖に来るハクチョウやその他の野鳥を観察することができます。
また、施設内には「水鳥」「動物」「野鳥」の3つのコーナーがあります。
水鳥だけでなく、ヒグマなどの剥製を見ることができます。
平成元年に国内3番目のラムサール条約指定地となった、浜頓別町のクッチャロ湖。
ラムサール条約とは「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」のことです。
この条約では国際的に重要な湿地およびそこに生息・生育する動植物の保全を促進するため、各条約国がその領域内にある国際的に重要な湿地を1箇所以上指定し、条約事務局に登録するとともに、湿地の保全及び賢明な利用促進のために各締結国がとるべき措置などについて規定しています。
日本だけでなく、世界的に保護するべき自然ということが分かります。
日本で最北端にある湖がある町「浜頓別町」
浜頓別水鳥観察館を解説する前に、「浜頓別町」について触れていきます。
浜頓別町は北海道のオホーツク海に面した、酪農と自然の町です。人口3442人、町の面積は401.64平方キロメートル、北海道内179の市町村の中では87番目の町の大きさです。
〇浜頓別町の歴史
浜頓別町のある枝幸群の由来は、「岬」の意味があるアイヌ語の「エサウシ」からきているそう。また「浜頓別」の由来はこれまたアイヌ語の「湖や沼に入る川」の意味がある「トー・吽・ベツ」からきているそうです。
1878年 枝幸郡に枝幸、頓別、歌登、礼文の4町へ
1909年 2級町村制施行により枝幸、頓別、歌登、礼文が枝幸村に合併
1916年 枝幸村より独立し頓別村となり頓別村役場を設置
1918年 天北線の中頓別~浜頓別間の路線延長が決定 駅名が「浜頓別駅」へ
〇気候
浜頓別町は年間の平均気温が5℃前後の冷涼な気候です。夏は涼しく、25℃を超える日は少ないです。
30℃を超える本州と比較すると天国のようですね。
冬は11月下旬くらいから3月まで積雪が見られます。
年間を通して風が強いのが特徴であり、冬は吹雪になることも多いとのこと。
クッチャロ湖
水鳥観察館があるクッチャロ湖は南北の2つの沼でできています。
辺り一帯にはハンノキ林が広がっています。
日本有数の野鳥の楽園として知られ、6000羽のコハクチョウが訪れるとか。
これまでに290種類の野鳥が観察されています。
またクッチャロ湖は美しい夕日が見られることでも知られています。
クッチャロ湖の水面に移った幻想的な夕日は、想像しただけでもワクワクしますね。
また、クッチャロ湖から車で10分の場所に「ベニヤ原生花園」と100種類の花々が咲き誇る公園があります。
高原、海浜、湿地があるため、それぞれの花を観察できます。
園内は散策路が整備されており、長いコースで90分、短いコースで40分と気分に合わせて選ぶことができます。
また周辺にキャンプ場、はまとんべつ温泉もあるため、家族で一日自然を満喫できる場所となっています。
自然がたくさんある北海道!道内のバードウォッチングができる場所
北海道内にはクッチャロ湖以外にも、バードウォッチングができる場所がたくさんあります。その一部を紹介していきますね。
〇釧路湿原野生物保護センター
日本最大の釧路高原や野生生物の保護のため、モデル施設として設置されました。
施設内にはシマフクロウやタンチョウなど、絶滅の恐れのある野生生物を観察することができます。
〇釧路市丹頂鶴自然公園
19世紀頃までは現在と異なり、北海道は湿地が多い土地でした。
現在は絶滅危惧種になっているタンチョウもよく観察されていました。
しかし明治時代に本州から人々が移住してくると、湿地は農地となりタンチョウは徐々に減少していきました。
1934年にタンチョウは国の天然記念物に指定され、地元の人々による保護活動が始まりました。
地元の人々の熱意のおかけで、飼育されているタンチョウを見ることができる、この釧路市タンチョウ鶴自然公園が誕生しました。
〇厚岸水鳥観察館
クッチャロ湖と同様に、ラムサール条約に指定された「厚岸」の地。
こちらはタンチョウの国内有数の繁殖地であるほか、オオハクチョウやカモ類の渡りの中継地です。
そのため、多くの水鳥を観察することができます。
〇野付半島ネイチャーセンター
平成14年にオープンした日本最大の砂嘴である野鳥半島の自然や歴史について、展示を行っている施設です。
1階ではお土産などの販売コーナー、2階では自然や歴史の展示を行っています。
また3km離れた場所に野付半島野鳥館査察舎があります。
これまで観察された260種類の野鳥のうち、運が良ければ数種類を観察することができるかもしれません。
水鳥観察館の見どころ
浜頓別水鳥博物館 基本情報
営業時間:午前9時~午後5時
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始
入館料:無料
レクチャールーム:無料 要予約
お問い合わせ:TEL 01634-2-2534
メール mizudori@mail.town.hamatonbetsu.hokkaido.jp
なんと入館料無料!家族連れや大人数での来館にもありがたいです。
水鳥観察館は、平成7年5月にオープンしました。25年以上の歴史があるんですね。
四季折々の野鳥たちいよいよ、名物のハクチョウを見れるタイミングについて見ていきましょう。
白鳥を観察したい場合は、10月〜翌年5月までの8か月間がおススメです。
なんと北シベリアと日本を往復するコハクチョウの70%がクッチャロ湖に立ち寄るんだとか!春には、北にある繁殖地へ向かうため、オオガガモ、ヒドリガモを中心に約20種類のカモ類が見られます。アオハギやミウなどが、湖で魚をとっている姿も見ることができます。春の渡り鳥のピークは4月下旬〜5月上旬頃のゴールデンウィーク期間だとか。
この時期はオオワシやオジロワシがなんと100羽単位で渡ってきます。これだけの水鳥の群れを見る機会はそうそうありませんから、観察できた場合はラッキーですね。ゴールデンウィークが終わると、ほとんどの野鳥たちは渡りを終えます。しかしシギやチドリが、水辺に姿を現すこともあります。
ハクチョウの渡りが終わっても、夏にはアオサギやカワセミの姿も見ることができます。冬のクッチャロ湖には厳しい寒さが待ち構えています。2月になると湖はほぼ完全に凍結してしまい、氷の厚さは50cm以上にもなります。気温はー20℃前後。本州に住んでいる筆者からすれば想像を絶する寒さです。しかしこの時期にも、こぐ一部のコハクチョウは渡りをせず、冬をここで越すことになり、頓別川の河口付近に集まります。
厳しい寒さのため、一番野鳥が少なくなる時期です、しかし全くいないというわけではありません。ウミガラスやコウミスズメ、シロオオタカやシロフクロウなどが現れます。長い長い冬を超え3月になると、クッチャロ湖の氷が溶け始めます。この頃になると、本州へ渡っていたコハクチョウたちが少しずつ戻ってきて、クッチャロ湖に賑わいを見せてくれます。
館内には写真パネルやビデオも展示されており、四季のクッチャロ湖の様子も見ることができます。訪れた季節以外のクッチャロ湖の様子を見ることができるのは魅力的ですね。
水鳥観察館の周辺
四季折々の豊かな自然景観が魅力、クッチャロ湖がある浜頓別町。
これまで紹介してきた水鳥観察館以外にも、クッチャロ湖周辺には旅人を惹きつける観光地がたくさんあります。
ウソタンナイ砂金採掘公園(ゴールドハウス)
・住所:北海道枝幸群浜頓別町宇曽丹
・営業時間:午前9時~午後5時
・営業期間:6月~9月
・料金:時間無制限 550円(大人、子供ともに)
オホーツク海から内陸にある、宇曽丹川沿いにある公園です。
今から100年以上前の1898年に、この場所で砂金が発見されました。
噂は瞬く間に日本全国に広がり、国内外から一攫千金を目指す人々が押し寄せました。
その数は5万人とも言われています。
現在は500円で砂金の採掘が体験できます。また公園内にはキャンプ場もあるため、家族ぐるみで楽しむことができます。
クッチャロ湖湖水まつり
・住所:北海道枝幸群浜頓別町クッチャロ湖湖畔
・最寄り駅:間寒別駅
・日程:7月上旬~中旬の土日
浜頓別町でも夏の風物詩のお祭り「クッチャロ湖湖水まつり」が開催されます。
約800発の花火が打ち上げられます。
クッチャロ湖の水面に花火が反射し、うまくいけば素敵な一枚の写真を撮ることができそうですね。
また湖上に長さ30cmの丸太を浮かべ、ゴールまでの順位を競う「水上丸太渡りレース」もぜひ参加したいですね。
アクセス方法
住所:〒001-0000
北海道枝幸群浜頓別町クッチャロ湖畔37
魅力溢れる水鳥観察館へのアクセス方法を紹介します。
自動車アクセス
・札幌市内より330分
道央自動車道 札幌IC有料道路入口→士別剣淵IC有料道路出口→下道にて
・旭川市より210分
道央自動車道 旭川北IC有料道路入口→士別剣淵IC有料道路出口→下道にて
・稚内市より90分
館内には大型8台、一般52台の駐車場スペースがあります。
大型の駐車場にも対応しているため、バスを利用する団体旅行にもおススメです。
公共交通機関アクセス
・札幌駅から
「札幌駅」JR特急宗谷・稚内行き
→「音威子府駅」→「音威子府」宗谷バス・天北宗谷岬線→浜頓別ターミナル→徒歩18分
・旭川駅から
「旭川駅」高速バス 道北バス・宗谷バス 特急えさし号
→「音威子府駅」→「音威子府」宗谷バス・天北宗谷岬線→浜頓別ターミナル→徒歩18分
さすがは北海道!道内の移動でも北海道の中心、札幌駅から5時間以上もかかります。
事前に休憩スポットを探したり、車の運転に不慣れな方は、一人で行かず運転は交代できるように複数人で訪れたほうがよさそうですね。
北海道ならではの自然がある浜頓別町。
今回はその中でも野生のハクチョウが見れる「浜頓別町水鳥観察館」について紹介しました。
北海道旅行の際は、ぜひ足を運んでくださいね。